認知症を知ろう
認知症とは
年を取ると誰でも、「物忘れがひどくなった」「若いころよりも注意力が低下した」などと感じることが多くなります。こうした変化の多くは、加齢に伴う自然な現象で心配はありません。
しかし、脳や身体に何らかの病的な障害が起こった結果、一度獲得した知識や技術が低下し、社会生活や家庭生活、仕事に支障をきたしてしまう場合があります。この状態を「認知症」といいます。
中核症状
認知症の直接の原因である「脳の細胞が壊れる」ことで起こる症状を「中核症状」といいます。下記のような症状がおこることがあります。認知症の方であれば誰しもが抱える症状です。
記憶障害
「晩ごはん、何食べたっけ?」と食事をとったことは覚えていても、具体的なメニューを思いだせないという経験は誰にでもあることです。しかし、認知症の場合、食事をとったという体験自体を忘れてしまします。
「さっき食べたでしょ」と訂正したり、怒りの感情をぶつけるのは逆効果!
本人の言葉を笑顔でいったん受け止めて、安心してもらう。
見当識障害
自分が置かれている状況を認識する能力の障害です。今日は何月何日か?慰安が何時か?自分がどこにいるのか?誰と話しているのか?が正確に認識できません。
カレンダーや時計を効果的に使ったり、「今は、お昼よ」「もう寝る時間よ」など声掛けを沢山することが大切です。
散歩は気分転換やリハビリになります。外出時は、一緒についてあげてください。
理解・判断力の障害
思考のスピードが低下して、2つ以上のことが重なるとわからなくなることがあります。例えば、倹約を心がけながら、必要のない高額商品を購入したり、自動販売機や駅の自動改札、銀行ATMなどの前でまごついたりしてしまうようになります。
あいまいな言葉は混乱させてしまいます。外出する場合は、目を離さないようにしましょう。詐欺を防ぐためにも、成年後見人制度を利用しましょう。
実行機能障害
ある目標に向かって手順通りにできません。簡単な調理でもできなくなったり、テレビのリモコンなどの電化製品が使えなくなります。また、計画的に買い物をすることができません。
段取りがわからず、何かをやってても途中で途切れる苦しさを理解していますか。一緒にできるようにしていきましょう。
準備も一緒に行いながら細かく確認したり、買い物をするときは、買い物をする品物を買い物しやすい順番に紙に書きましょう。